| ローマに来ると、コロッセロやフォロ・ロマーノなどの古代ローマ帝国の遺跡はもちろんのこと、様々な時代の建造物が混じり合って出来ている街であることに気が付くでしょう。その中でも、17世紀、バロックの時代には、ベルニーニやボッロミーニなどによってローマが新しい姿、現在見る姿になったため、ローマはまた「バロックの都」とも言われています。この時代は、教皇庁を中心に都市整備が行われ、様々な芸術家(カラヴァッジョ・アンニーバレ・カラッチ、ピエトロ・ダ・コルトーナなど)が活躍しましたが、なんと言っても主役は、建築・彫刻・絵画の各分野をこなしたベルニーニでしょう。
ジャン・ロレンツォ・ベルニーニは、同じく彫刻家の父をもち、若い時から各教皇に登用され、観光客が必ず訪れるサンピエトロ広場、ナボーナ広場の噴水などをつくりました。
また、数々の彫刻を製作し、現在それらのうちの何点かはローマにあるボルゲーゼ美術館で見る事ができます。この美術館は、1902年にイタリア政府によって買い上げられるまで、もともとは、ボルゲーゼ家という有力貴族のプライベートコレクションでした。
プライベートコレクションと言っても、私達日本人の想像をはるかに超えた質の高いものです。
この美術館にあるベルニーニの作品の中で、一番ドラマチックなのは2Fにある「プルトンとプロセルピナ」(1621〜1622)でしょう。ギリシャ神話の大地の女神ガイアの娘プロセルピナを見始めた、冥府の王プルトンが彼女を略奪する、まさにその瞬間を表現したものです。嫌がり、泣きながらなんとかしてプルトンから逃れようとするプロセルピナをプルトンがしっかりと抱きかかえ、冥府へ連れていこうとする中、後ろでは、冥府の守りである3つの顔をもつ犬が吠えている。
この彫刻の前に立つと、1つの彫刻であるということを忘れて」、この2人の世界に感情も視界もすべてすいこまれていくかのようです。そして、その後、ベルニーニの彫刻の技に目を奪われるのです。風になびく髪やプロセルピナの太ももにくい込む、プルトンの指を見て欲しい。
これが大理石で出来ているのが信じなれなくなり、思わず触ってみたくなることでしょう。
ベルニーニは彫刻で感情と動きを表しました。
彼の他の作品「アポロンとダフネ」(1622〜1625)、「ダヴィデ」(1623〜1624)などの傑作も同館所蔵なので、見逃さずに見て下さい。
(注:この美術館は2時間の入れ替え制なので、事前に必ず予約をして下さい。)
美術館を見た後、Via venetoを下って行くと、バルベリーニ広場に出ます。
この広場にあるトリトーネの噴水もベルニーニがつくりました。
このように彼の作品は、ローマのあちらこちらにあるので、それらを見て歩くのも楽しいでしょう!
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